空の誓い、海との約束
 国を統べる。王になる。よく分からない、難しい話。だけどとっても重い責任である事だけは理解出来る。

 私に、国を治めるなんて事が出来るだろうか。お父様の最後の願いに私は応えられるのだろうか。こんな幼く、ちっぽけな私に。

「本国に残っている陛下に忠誠を誓った者達が、姫のために命懸けで動いてくれています。今、姫がなさるべき事は成人までこの島で隠れている事です」

 そしてリフは私を見つめて言った。

「必ず御護り致します。何があっても、必ず」

 レシュノルティアを脱したあの夜に海辺で見たのと同じ、真剣な彼の眼。その瞳の強さの前に、迷いは泡沫と消えた。

 幼いながら私は腹を括った。命懸けのかくれんぼ、必ず逃げ切ってみせる。

「とにかく隠れていればいいのね。難しいことは分からないけれど、リフやダグラス達の言う通りにするわ」

 私がやっと事態を飲み込んだ事にほっとしているダグラスの隣で、リフは数枚の紙を広げて説明を続けた。

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