空の誓い、海との約束
「リフ、どうしたの?」

 しーっ、と立てた指を口に当て、リフは小声で私に言った。

「姫、お忍びで街に行ってみませんか」

「お忍び?」

 私は目を輝かせた。前にリフが読んでくれたお話の中に、身分を隠してお忍びで街に出かける王子様の話があった。

 いいなあ、私も街に行きたいなあと思ったけれど、かくれんぼ中だし私は女の子だから無理かなと諦めていた。

「ほんと? ほんとに外に行けるの?」

「はい。ダグラス様には内緒で」

 リフは笑顔で続けた。

「姫に見て頂きたい物が沢山あるんです。勿論、御嫌でなければですが」

 断る理由なんて無い。嬉々として宿題を放置し、私はうきうきしながら外出の支度をした。

「色んな物を見てきてくださいね」

 いってきますと告げる私を、マリーは笑って見送ってくれた。

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