とろける恋のヴィブラート
「御堂さんは良かったんですか? もっと石田さんとお話する事あったんじゃ――」
「別にいい」
御堂が切るように言うと、再び重苦しい沈黙が訪れた。奏はあまりの気まずさにわざと明るい声を出してしまう。
「石田さんが人と音楽が繋がるようなコンサートにしたいって仰ってたんです。御堂さん、会場の雰囲気とか私に任せてくれませんか? きっといいものにしますから」
にこりと笑って見せると、御堂が少し目を開いて驚いたような表情をした。そして、崩れるように御堂が小さく笑って顔を綻ばせた。
「……あぁ」
その時、初めて見る御堂の表情に奏の胸がトクンと鳴った。
(……なに、今のトクンって)
慌てて胸を抑えると、いつの間にか奏の会社のエントランス前に着いた。
「別にいい」
御堂が切るように言うと、再び重苦しい沈黙が訪れた。奏はあまりの気まずさにわざと明るい声を出してしまう。
「石田さんが人と音楽が繋がるようなコンサートにしたいって仰ってたんです。御堂さん、会場の雰囲気とか私に任せてくれませんか? きっといいものにしますから」
にこりと笑って見せると、御堂が少し目を開いて驚いたような表情をした。そして、崩れるように御堂が小さく笑って顔を綻ばせた。
「……あぁ」
その時、初めて見る御堂の表情に奏の胸がトクンと鳴った。
(……なに、今のトクンって)
慌てて胸を抑えると、いつの間にか奏の会社のエントランス前に着いた。