瞳の中の碧い海



彼が目を覚ます頃には
もう陽が落ちて
暗くなっていた。


ますます家に帰るのが
億劫になってくる。


起きるなり棗は
腹が減ったと言った。


ゴソゴソと
チラシをいっぱい出してきて
何食べたい?と訊く。


「ねえ、
 いっつもそうやって
 出前取ってるの?」


「そうだけど」


「何かご飯作ろうか?」


「ウチ、何にもねぇよ?」


ほら、と
大きな冷蔵庫を開けて
見せてくれたが

見事に
ビールばかりが入っていた。


「じゃあ
 買い物行ってくるよ?」


「今日はいいから
  それは今度にしよう」


結局お寿司を取って
テレビを観ながら
また一緒に食べる。

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