君と私
少し経って電話の着信音が
鳴った。
心臓が一気にはねあがる。
ドキドキしながら通話
ボタンを押して電話にでた。
「 …もしもし?瑞季です 」
「 もしもし?瑞季? 」
顔から想像つかない
低くて甘い声が電話機から
聞こえた。
「 あ、はい 」
「 これ、俺の携帯番号だから、
登録よろしく! 」
「 了解です…! 」
「 てか、何か緊張するな… 」
「 う、うん。恥ずかしい… 」
「 今日はもう寝るけど、
明日また電話しねぇ? 」
「 うん、したい 」
「 んじゃ、また明日かけるわ!
おやすみ! 」
「 おやすみなさい! 」
「 …………… 」
「 ……………ぷっ。何で切らないの? 」
「 いや、瑞季が切るまで
待ってた 」
「 あはは!私も一樹が
切るまで待ってた 」
「 なんだそれー、じゃあ
一斉に切ろう!いっせーの 」
多分同時にボタンを押して電話を切った。