ルッキング・フォー・ラブ ☆リアル・ファミリー☆
( マンションのリビング )
 
 夜中の一時、幸弘が弘の事を心配している。

弘の携帯へかけかけて思い直して止める。

そこへ弘の携帯からかかってきた。

「もしもし!」

「あぁ、

こちらは新田 弘君に重傷を負わされた、

善良な一市民の友人ですが・・・」

「えっ?」

「お宅様はどちら様ですか?」

「・・・私は弘の父親ですが。

弘が何かしたんですか?」

「理由は知りませんが、

私の友人にいきなり殴りかかって

大ケガさせましてね・・・」

「えっ!?・・・

本人はそこにいるんですか?

代ってもらえますか?」

「いるんですが『身内はいない』の

一点張りでしてね。

あなたとは話したくないんだそうですよ。

警察に行くのが当然なんですが、

未来有る若者を前科者にするのもと

思いましてね。どうしましょう?

受験等差し障るでしょうが、

警察に逮捕してもらって良いですかね?」

「・・・ちょっと待って下さい・・・

本人のいる所で話さないと何とも言えません。

どこへ行けばいいですか?」

「それは話が早い。場所は・・・」

幸弘はメモを取った。

「・・・分かりました。すぐに向かいます。」

そこへ起きていた幸が駆け寄る。

「どうしたの?弘 何かやったの?」

「ん・・・とりあえず行って来るよ。」

メモを書き写す。

「もし朝までに俺が帰って来ない時は

警察へ電話して、ここへ行ったきり

帰ってこないって言ってくれ。」

「パパ、大丈夫?」

「大丈夫さ、心配するな。」

幸弘は幸の頭を撫でて

自室へ行ってから出て行く。
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