ルッキング・フォー・ラブ ☆リアル・ファミリー☆
( コンビニ前 )
 
 武司が地面に座り込んでいる。

そこへたまたまバイクで親士がやってくる。

「なんだ、珍走団。元気無ぇなぁ。」

「うるせぇ!やるのか、この野郎!」

「何だよ。カリカリすんなよ。」

と言いながら、親士は武司が着ている上着を

両肩から肘の下までずらし上半身を動けなくし、

額に頭突きを入れ腹に膝蹴りを入れる。

武司はバッタリ倒れそのまま泣き出す。

「うぅ~・・・」

「何だ、どうかしたのか?」

「弘がチンピラに喧嘩ふっかけて捕まったんだよ。」

「・・・なんで知ってんだ、お前?」

「一緒にいたんだよ。」

「・・・」

親士は無言で幸弘の自宅へ電話をかける。

「あぁ、幸ちゃん、和田の親士やけど。

幸弘は?え、うん、うん、

一人で行ったのか?あいつ。

うん、うん、ちょっ、ちょっと待って。」

コンビニのレジへ行き、ボールペンを借り

不要レシートに行き先を書く。

店員に礼を言って武司に歩み寄る。

「弘はここにいるらしいぜ。」

「・・・・・・」

黙ってうつむく武司。

親士はじっとみつめたまま話す。

「お前のダチがそこに居るんだと。」

「・・・・・・」

「なぁ、ダチがぶちのめされりゃ、

そりゃ恐ぇえよな。

思わず逃げちまう気持ちもわかる・・・

だけどここで助けに行かなきゃ、

お前は一生ダチを見捨てて逃げ出した

卑怯な裏切り者だ。

この先、弘に会うたびに

目をそらしてうつむいて道を変えるのか?

それで良いのか?」

武司は無言で涙を流す。

「男ならこれ以上逃げるな。」

「うおぉおおおお!行ってやらぁあ!

なめんじゃねぇぞ!誰が卑怯な裏切り者だ、

この野郎!!」

武司は親士からレシートをひったくり

行先を見てバイクで走り出す。

親士はそれを笑いながら見送り

バイクで追いかける。
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