お向かいさんに恋をして
だ、抱きしめられて、る……?!

あまりのことにフリーズする私。

秋中さんに抱きしめられるなんて……!

夢……?

大好きな人の腕の中ってこんな感じなんだ……。
心地良いなぁ……。

「……ちゃん!
……くらちゃん!!
さくらちゃん!!!」

「……はっ!」

私を懸命に呼び掛ける留奈さんの声に、どうにか我に返ることができた。

「さくらちゃんも大丈夫?!」

留奈さんが後ろから心配そうな声色で様子を伺っている。

「だ、大丈夫? です……。
一瞬夢見てました」

「さくらちゃんったら……。
ま、気持ちは分からなくもないけど。
さ、秋中さん起こそう?」

「はい。ちょっと名残惜しいですが仕方ないですね……。秋中さん、起きてください」
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