お向かいさんに恋をして
「よっ……と。
波江さん、大丈夫? 立てる?」

私と留奈さん二人がかりで離せなかった秋中さんを、日野さんはあっさりと離した。

「はい、大丈夫です!
ありがとうございます!」

立ち上がって、日野さんに頭を下げる。

「良かった。じゃあ秋中さん? を連れて帰ろう」

日野さんは私の状況を確認した後、秋中さんを背負い込むように立たせた。

「日野って力持ちねぇ」

留奈さんが感心している。

「まぁ、鍛えてるからな。
竹井、知ってるだろ?」

日野さんは秋中さんを背負ったまま階段をあがる。
私と留奈さんはその後ろをついて歩く。

「あの、留奈さんと日野さんって……?」

気になったので、聞いてみた。

まさか右隣のお兄さんと左隣のお姉さんが知り合いだとは。
しかも親しげ。これは気になる。
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