お向かいさんに恋をして
「喜んで良いのかなんなのか」

「喜んでいーに決まってんじゃない!
一目惚れという経験を経て、さくらちゃんはまた一つ大人に近づいたのよ!」

ガッツポーズをとり目を輝かせる留奈さんは、本人である私よりも大いに盛り上がっている様子。

「一目惚れ一目惚れって連呼しないでください。
本当に恥ずかしいんですから……」

「はいはい、わかったわかった。
じゃ、そろそろ行こうか!」

「あ、ちょっと待ってくださいね。
すぐ支度しますから」

あたしも支度してくるから、言って一旦部屋に戻った留奈さんが、10分後に再度部屋を訪ねてきた。

やっぱりチャイムは鳴らさず、扉を叩くんだよねぇ……。
私は苦笑いを浮かべながら、部屋を出た。
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