お向かいさんに恋をして
留奈さんの行きつけだというイタリアンレストランで、美味しく昼食を頂いた。

「ここねぇ、イケメン店員さんがいるのよ。
今日はいないみたいだけど、すんごいカッコいいんだから!

時々目の保養にしてんの。
あ、彼氏には内緒よ?」

留奈さんイケメン好きだなぁ。
って、そもそも留奈さんの彼氏さん知らないし、内緒もなにもないんだけど。

「あ、そうだ。
とりあえず抑えておきたい場所ってどこ?
教えてあげるよ?」

「うんと、最寄りの郵便局と銀行と総合病院ですかね……?
役所とスーパーはリサーチ済みなので大丈夫です」

私の言葉に、留奈さんは驚いたように目を見開いた。

「現実的ねー。
あたしなんか、まずゲーセンとカラオケとネカフェ、探したわよー?
引越しで浮かれたりしないの?」

留奈さんの能天気な言葉に、今度は私が目を見開いた。
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