お向かいさんに恋をして
お花見です!
ふと気がつけば、空はすっかり茜色に染まっていた。
留奈さんのお陰で、必要な施設を全て確認することができた。

「留奈さん本当、ありがとうございます。
これで安心して新生活が始められます!
ずいぶん付き合わせちゃいましたけど、大丈夫でした?」

「いいのよ、これくらい!
今日は暇だったし、あたしも楽しかったしね!」

ケラケラ笑う留奈さんと駅を歩いていると、見知った顔を見つけた。

「あれ、秋中さんだよね? 声かけてみたら?」

立ち止まり肘で私を小突きながら、ニヤニヤ顔の留奈さん。

確かに、少し前には秋中さんの姿。
周囲とはやっぱりオーラとかっこよさが違う。つい見惚れてしまう。

話したい……けど、スーツ姿の男性数名が一緒で、声かけるなんて無理。

「今は遠慮しないと」

「そー? じゃ、残念だけど行こっか」

私達が再び歩き出した、その時だった。
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