運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~

修学旅行の夜は2人きりで…



【優姫】


10月。


私たち2年生は14日~16日、2泊3日で今日から修学旅行で大阪・京都に来ているんだけど…。

「はぁ~…」

「……」

「ちょっと!せっかくの修学旅行のにまた、ため息をついてる」

ホテルに移動中、樹里が私と陸が朝からテンションが低い事について見て言う。

「だって、誕生日なんだもん!なのに、枢が遠い…」

…そう、私のテンションが低い理由は…2人の誕生日。

枢は10月14日。(今日)

私が10月15日。(明日)

おまけに先月は会社の仕事が忙しくて、帰りはいつも夜中近くになる事も少なくなかった。

「…つまり、約1か月セック…シてないって事?」

「もう!樹里」

「あっ、ごめん。…んで、陸はどういう理由?」

「俺も同じようなもんだよ。最近、瑠佳が津田おじさん…『実家に泊まるから…』って、あんまり俺の相手してくれなくてさ。俺たちも誕生日だったのに…」


この2人の誕生日は、先月―――

陸は9月29日。

瑠佳姉ちゃんが9月30日。


「…要するに2人共、『恋人』と最近イチャイチャする時間がない!っと…」

「もうすぐホテルに着くぞ」

「他の人の交通の邪魔をしないように」

私たちより何列か前の前例いる枢と瑠佳姉ちゃんのほうを見る。

そして、今度は樹里がため息をついた。

「…でも、2人はいいよね」

「なにが?」

「『恋人』がなんだかんだ言っても、いつも一緒にいるじゃん」

「悠と上手くいってないの?…こないだ『悠のウチに泊まった』って…」

「うん。確かに『あの夜』関係は進んだけど、さっき優姫が言った通り会社が忙しくて…それ以来逢えてないんだ」

「つまり、樹里。俺たち以上に『欲求不満』ってわけか?」

陸は意地悪そうに笑う。

「あんたには、言われたくない!」

2人がそんなやり取りをする中、「枢と少しでも2人で過ごす時間があったらいいな~~」と考えていた。

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