運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~


実家の玄関前。


「…ところで、悠。親父たちに俺たちのことは…」

「一言も言ってないよ。ただ、昨日『ここは兄貴に任せてやって』とは言ったけど…第一、俺が言う事じゃないから…」

「ありがとう。…優姫、大丈夫か?」

「う、うん…」


…正直、大丈夫かどうか自分でもよくわかんない。


母さんが、父さんのことを本当はどう思っていたのか?


どうして、私に話してくれなかったのか?


母さんの『本当の気持ち』を知りたい…



自然に枢と手を繋いでいるほうに力が入る。

「…大丈夫だ。俺が着いてる」

枢はそう言って、私の手を握り返してくれた。

「あ~ずるいぞ!!俺も優姫の義兄貴だ!お前の傍にいてやる」

「シスコンのお義兄様は別にいなくてもいいですよ。”彼氏”の俺がいるから…」

「なんだと!」

「なんだよ!」

2人のやり取りに、私は思わず吹き出してしまった。

「「優姫?」」

「いや、2人が面白くって…ハハハァ。…さぁ、行こう。母さんたちが待ってるよ♪」

枢と悠のおかげで、私の緊張はいつの間にか解けていた。


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