伊賀襲撃前夜
戦の準備をすっかり整え、伊賀の者達は交代で見回り、交代で眠りに着いていた。
「祥之介、お前も少しは休め」
「ああ、ありがとう」
見回りを代わって、祥之介が中に戻ろうとした時、門の外から一人の伊賀者が走り込んできた。
「どうした?」
「はぁ〜、はぁ〜っ、頭領に…」
「わかった、それ以上喋るな」
祥之介は男を負ぶうと頭領の部屋へと連れて行った。
「頭領っ!」
部屋の外から呼ぶ祥之介の声に気づき、バッと障子を空けて頭領が出て来た。
「何事だ?」
祥之介は息を切らせて戻ってきた男を背中から下ろした。
男は、呼吸を整え、頭領の前に方膝をついた。
「申し上げますっ。織田陣営は動き無し」
「そうか」
頭領は安堵の表情を浮かべる。
「しかしながら、甲賀に動き有り」
「何っ」
頭領の顔は一瞬にして曇った。