ホストの憂鬱
京都につくなり、俺は驚いた。俺の中の京都は古都をイメージしていたから。

広島でいえば宮島がぽっかり京都の町並みだと思っていたから。

時代錯誤もいいところだ。

広島から京都までは約、四時間とちょっとかかった。

愛は嬉しそうに窓の景色を見ている。

俺にはただの近代都市にしか、見えないのに。

愛が急に上目づかいに俺を見て言った。

「キョン、京都にね、どんな願いごとも叶えてくれるお寺があるの」と言った。
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