ホストの憂鬱
愛は俺の言葉を聞いて、なにやら雑誌をベッドの上に並べた。

それは旅行のガイドマップだった。

愛は京都と九州のガイドマップのうち、京都を取ると、ページをぱたっと一発でめくった。

そして、指をさして、ここに泊まろうと言った。

俺は正直、旅行などは頭になかったが、愛の顔をみると断れなかった。

それに何度も、このページをめくっていたのがわかった。

汚れていたし、簡単に開きすぎるから。

それを、旅行はしんどいからやめようなんて、言えない。

ただ交通手段を愛が車にするとは思ってもみなかったけど―しかたない。
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