付き合う→結婚
「分からないのに大学って、進路調査表に書いたのか?」

「詳しくは“行ける大学”って、書いた…」

私は今、休憩時間に圭太と中庭のベンチに座っている。

「何になりたいのかも分からないのにか…」

「だって進路調査表に何も書かないで提出するわけにはいかないじゃん…」

「そうだけど、三者面談は大丈夫なのか? 今日だろ」

「そうなんだよね……。どうしよう……。あっ…」

土屋くんだ……。

私はベンチから立とうとするが、止める。

「土屋に会いに行かないのか?」

「行かない…。
静に認めてもらえるまでは…会いに行かない……」

「でも、あいつがいつ認めてくれるか分からないんだぞ? 会いたいなら会いに行った方が…」

「ううん。静に隠れてコソコソと土屋くんに会いたくない」

「そっか……。なら、早く静と仲直りしろよ。
俺の助けが必要なら助けてやるから」

「ありがとう。でも、大丈夫。
自分で仲直りする」

自分で仲直りしたい。
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