スキキライ 〜お嬢様の恋愛事情〜
ーーーピピピピッ…ピピピピッ…カチッ

目覚まし時計の音で目を覚ます。
手を伸ばし「煩い…」と呟きながら目覚まし時計を止め、また布団に潜る。

ーーーガバッ!!

「いやいや今日から学校だから!!」

自分で自分に突っ込む。

私はせっせと着替え、寝癖でボサボサになった髪を整え、ママが作ってくれたお弁当を取り勢い良くドアを開けた。

目の前にはいつも通り、執事とベンツ。
私専属の執事の名は碓氷 斎(ウスイ イツキ)。
私とあまり変わらない年齢の青年。

何故ごく普通の女子高生に執事がいるのか。いや、嘘は吐いていない、私は正真正銘のごく普通な女子高生。

…として生きたいと長年思い続けている超大手企業の社長令嬢。

なりたくもないそんな立場をみんなは羨ましいと言う。
呆れたものだ。

「碓氷、車出して!」

急いで車に乗り込み、碓氷に車を出すよう命じた。

「はい、お嬢」と丁寧に返事をし、車を出した。


これが私のいつも通りの朝。
寝坊して遅刻しても、パパの立場もあることから怒られない。

車に揺られながら私は思う。

「普通な生活を送りたい。みんなと一緒に歩いて学校に通いたい」と…ーーー



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