いちごみるくと恋わずらい
フリーズしてしまった俺を不思議に思ったらしい彼女が、小さく首をかしげた。
瞬間、ハッとしてようやく視線を彼女からひきはがすことが出来たと同時に、かあっと顔が熱くなる。
いや、マジで重症すぎるだろ俺。
落ち着け俺。
かあ、ってなんだ。
ここ、別に顔赤くするとこじゃねえだろ!
「……い、いや。すげー美味そうに食うなと思って感心してただけ」
「え!?やだ、なんか恥ずかしいよそれ!」
咄嗟に口から出た言葉にも、彼女は本気で恥ずかしがるように頬を赤らめて、それにまた心臓が反応してしまって困る。
近づいたらそれだけ逃げられなくなる。
自分の想いが大きくなるのを止められなくなる。
そんなことはわかっていたはずなのにこうして彼女に近づいたことを後悔して、思わず小さく息を吐いたのだった。