天才極甘党系男子
澄乃から出る、
ひとつひとつの言葉が
僕の心をゆっくり溶かしていくような気がした。
「颯佑、明日も早いでしょ?」
「あぁ」
「それなら帰った方がいいね。またお義父さんに怒られちゃうよ」
「…ん」
ゆっくりと離れて
澄乃は僕のとなりを歩く。
手を繋ぐわけでもなく、ただ自然と。
それがなんとなく心地よくて。
そんなに隣で歩いたことなんてないのに、びっくりした。
寿美乃が言ってたいい方向に向かえる気がした。