天才極甘党系男子



大きな扉の前で止まる。


そこには病院長の文字。


コンコンッと扉を叩くと中から渋い声が聞こえた。


わたしはなんだか緊張が移ってしまったみたい。


「失礼します」


ゆっくり扉を開けると大きな椅子に座っている中年男性が見えた。


「颯佑?」


「お久しぶりです」


「隣の方は?」


「初めまして。わたしは王城寺澄乃です」


「ああ、お嫁さんか」


すぐにわかった。


全然笑わないこの感じ。


この人はお父さんなんだ。


堅物って感じの隣の人の、颯佑のお父さん。



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