天才極甘党系男子



リハビリは自分が思っているより、
はるかに上を行く辛さだった。


「っ…」


もう、冬でクリスマスも近いというこの時に、
汗が吹き出てくる。


颯佑は始め、会うまではいてくれたものの、患者がいるからと戻ってしまった。


白須インストラクターと2人だけ。


体を支える腕はもう限界で震えていた。


「休憩しましょうか」


30分ほどして白須さんはそういった。


わたしは頷いて白須さんに支えられながらベンチに座る。


「五体満足に感謝ですね」


「大丈夫ですよ、すぐに歩くのも楽になります」


「…努力します」


部屋の中でできれば練習しておこう。


立つことさえもままならないのは、進行が遅れてしまう。


少し、マッサージしますね。


そう言って、優しく足をマッサージしてくれる。


「白須さん」


「はい」


「わたし、がんばります」




< 265 / 306 >

この作品をシェア

pagetop