天才極甘党系男子
目を開けると、部屋の電気は消されていた。
もう、消灯時間を過ぎたみたい。
「……颯佑?」
ゆっくり横を見ると、なにか気難しそうな顔をしながら資料を見ている颯佑がいた。
「あ、目、覚めた?」
「うん……こんなとこでなにしてるの?」
「……なんか、落ち着かなくて」
どうしたんだろう。
こんな、弱気発言、珍しい。
ここに来てからいろんな颯佑を見てる。
「大丈夫?」
「ん」
「なにかあったの?」
「…細かくは言えないけど、手術がね、大変なんだよ、まぁ、うん。そんなこと言ってられないけど」
ははっと苦笑いして資料を脇の棚の上においた。
「もう、目、覚めた?」
「うん」
「もうすぐ、日が出るよ」
「えっ…颯佑、寝てないの?」
「まさか。リハビリしてた間、別の人に代わってもらってねたよ。もう倒れらんないし」