天才極甘党系男子




「女の勘、冴えまくってるね」


「あ、ありがとう」


本当だったみたい。


それを聞いてもやっと、なにかが心にかぶさる。


「やんなっちゃうよ、ほんとに」


「咲和は嫌いなの?」


「嫌いっていうか…苦手?」


「ふーん…」


「まぁ、わかるよ、あたしの気持ちがなんとなく」


そう話していると甘ったるい声とともに颯佑が来た。


「ごめん、お待たせ」


「ううん、平気」


隣で敵を見るかのような目で見てくる女の子がたぶんさっき話していた後輩看護師なんだと思う。


さっき、来た時にとなりで話していた子だ。


「じゃあ、また」


「はい、王城寺先生、また明日〜」


可愛い雰囲気のあるその子からわたしに視線を戻し冷たく見てくる。


「行こ」


「あ、うん」


あまりの態度の違いにびっくりしてしまうくらい、わたしへの視線は冷たかった。


長い脚で歩いていく颯佑の後ろを小走りでついていく。


「澄乃〜またね!」


「バイバイ、咲和!」



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