恋の授業。
「撮れました、こんな感じで大丈夫ですか?」
急にこっちを向いたので
ワタシは慌てて顔を逸らす。
「あ、はい、はい、大丈夫です、ありがとうございます。」
「……。ちゃんと確認しましたか?
しっかり見てください。」
画像を確認していないことを指摘された。
しかも一瞬、薄ら笑いしたような…
ワタシが観察していたことに気付いているかのような態度、やめてもらいたい。
「確認してください。」
ま、また言われた…
今度はしっかりと画像を確認した。
「わー。わー。すっごい綺麗!ピンクの粒々の集合体じゃなくなっる!わー…」
「……」
いつまでも写真を見ているワタシに向かって、ゆっくり話し始める。
「いつもそうしていればいいのに。」
え…?
え?今、なんて?
「人を警戒して本心を隠して、時と場合に応じて無難な顔なんてしていないで。」
一瞬で後悔した。
綺麗な桜に、つい喜んでしまったからだ……
こんなどこの誰だか判らない堅物の前で
迂闊にも喜んでしまった。