恋の授業。



「うん、今日は予備校だったんだ。」



「あー、そっかー。お疲れさまー!」



そうか…
森川君だって大学受けるよね。



高校3年の私たちはこの時期進路の話でいっぱいだった。
進学校だからほとんどの人は大学に行く予定だし、そうじゃなくても短大や専門に行くのが当たり前。



せっかく会えたけど、疲れてそう…



ワタシは大学を受験しない。

将来就きたい職業はなんとなくある。
大学でじっくりと学ぶのも良いとは思うけど、4年も通うのが時間の無駄に思えてしまう。



「川原さんも帰りだよね?送るよ!」



………っ!?



まさか、森川君がそんなことを言ってくれるとは思ってなかったから、うれしさのあまり心臓が飛び跳ねてた!



あ…っでも。

森川君、疲れてそうだし…



かなり残念だったけど、家も逆方向なのに申し訳ないからと断ると



「川原さんって草食なんだっけ?」



と、どうしてそんなことをいいだしたのか…
森川君はそう言ってニコニコしている。


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