恋の授業。



「おめでとうございます。」



やっと発せられた言葉は、さっきまでの沈黙がなかったかのようにさわやかだった。


ニコッと笑ってワタシを見る目も、あの優しい目だ。



「あ、ありがと。」



なんだ…びっくりした。
普通じゃん!


何をこんなにビビったのかわからないけど、ホクロメガネの祝福に安心した。


と同時に、あの気持ちを思い出す。
今日話したいと思っていたあの気持ち。



「でね…早速なんだけど…ちょっと聞いてもらいたくて…」



ハハっとため息交じりに笑うホクロメガネは、面倒そうにしながらもワタシの話を聞いてくれるんだ。


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