恋の授業。




噂が広まるのはあっという間で、ワタシの腫れた目を見た男子は森川君をからかい、女子は心配そうに見てくる。



「綾子…、綾子、居心地が悪いんですけど…」



「今日だけだから!大丈夫だから!」



綾子の言いたいことはわかる。

女子から人気の森川君がフリーになったなんて噂は、一瞬で校内に広まるんだろう。



「こうなるのわかってて来たんでしょ?」



「………」



そりゃそうだけど…、嫌なもんは嫌だよ。



不貞腐れた顔のワタシに



「エライ!」



と言って、頭をポンポン撫でてきた。



まぁね!と腫れた目で笑いつつ、いつか森川君がしてくれたいい子いい子を思い出した。


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