恋の授業。
「大丈夫…ですか?」
口が動いて、声が聞こえる。
あ…コレ。
これホクロメガネだ。
「またこんなことを…はぁー」
あ…呆れてる…
「貸してください。」
いつの間にかフェンスから降ろされていたワタシの手からスマホを取ると、その長い腕を伸ばして、ワタシのとどかなかった桜にグンと近付く。
あ…ホクロ。
唇のホクロ…
「こんな感じで大丈夫ですか?」
ホクロメガネだ…
「………」
なにも言えない。
嬉しさなのか驚きなのか…
言葉が見つからなかった。
「……お元気でしたか?」
突然、あの優しい目になる。
「あの、あの…あのっ…!」
「ッフっ、何ですか?」
ずるい…
首なんか傾けちゃって、笑っちゃって、…子供扱いしないでもらいたい。
「話したかった事が…あるんですけどっ!」