満たされる夜
あの朝、避妊してくれたかと聞いた私に、確かに「した」と答えた。

けれど課長は何度となく生身のまま私の中に入ってきて、その度にお腹の上に熱を吐き出していた。


「生憎ここにはゴムなんてない。使う必要がなかったからだ」

「それはずっと独りだったということ?」

「そうだ」


課長が久しぶりに抱いたのは私だったんだ…。


ワイシャツを脱がせると、ぼんやりと課長の体のラインが浮かび上がる。

細いけど、たくましい腕。


課長の唇を舌先でわずかに触れる程度に舐める。焦らすようにゆっくりと。

片方の手は胸を愛撫する。
先端をキュッとつまむと課長の口から僅かに息が漏れる。

それをいいことに唇を重ねると、そのまま舌をすべり込ませる。
どちらともなく求め合って、舌が絡み合った。

キスは角度を変えながらどんどん深くなっていく。
唾液さえも全て吸い取られるようなキス。
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