千日紅~永遠のキズナ~
今にでも、殴り合いの喧嘩が始まりそうな空気なのに、冷静なあたし。


慣れって、本当に怖い、な。


突っ伏してた男が、頭を掻きながら顔を上げる。


、、、やっぱり。


「俺も暇じゃねぇんだ、トシ」


康樹の言葉でバツが悪そうな顔をして、煙草を吸い出す。


いくら知り合いだからって、生徒や保護者の前で煙草を吸うのはどうなんだろうか?


「お前も吸うか」


トシちゃんは、康樹に煙草を差し出す。


それを受け取り、吸い出す康樹も康樹だ。


「よ、珠愛。まぁ、座れ」


トシちゃんはあたしを見て、座るように促す。


さっきまでの機嫌の悪さが嘘のように、あたしには笑顔を見せてくれた。

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