トレモロホリディ
モヤモヤ再び、そして彼の意外な特技
アルバイトの帰り道、私はこれまでの湊君との出来事を振り返っていた。


私の部屋のエアコンが壊れて、湊君のベッドで一緒に寝るようになったこと。


猫ちゃんが間にいたとはいえ、ほぼ寄り添って眠っていたこと。


元彼が現れた時、成り行きだったとはいえ、キ…キスだってされたんだ。


今だって、すぐ触れ合える距離で眠ってるし。


うぅ~、私ったら。


なんて大胆なことをしてきたんだろう。


普通の男子相手に。


あぁ…。


今までの行動が恥ずかし過ぎる…。




じゃあ、湊君はどうなんだろう。


普通の男の子なのに、どうして女の私と一緒にいたいって言ったんだろう。


私は元彼が現れた日を思い出していた。


あの時湊君は、美菜ちゃんとは男とか女とか抜きにして、一緒にいたいと言っていた。


男と女がするような、そういうことがしたいわけじゃないって。


あの時は、ゲイだからそう言ってるんだって納得していたけれど。


つまり湊君は、私には欲情しないって、そういうことだよねぇ?


そ、それって。


私には、女としての魅力がないってこと?


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