トレモロホリディ
「美菜ちゃん」


「はい?」


「顔、真っ赤だよ」


「えぇっ?」


ま、また~?


もう、どうしよう。


恥ずかしいーーー!


「わかりやすいよなあ」


クスクス笑う壮真君。


うぅぅ~。


そっちが鋭いだけなのでは?


「あるんだろ?実はいろいろ」


思わずぎゅっと口をつぐんだけど。


そのままコクリ


頷いてしまった。


「だったらさ、もう思い切って伝えてみなよ。

直接言えないなら、手紙でもいいじゃん。

モタモタしてたら、誰かにとられちゃうよ?

アイツがかなりモテるっていうのは、簡単に想像出来るだろ?」


「うっ」


そ、そう言われれば、確かにそうだ。


あれだけ優しくて、


あれだけ可愛くて、


あれだけ美男子なら、


いくらでも女の子が寄ってくるに違いないもの。


余裕ぶちかましてる場合じゃないわ。


もし仕事が決まって、生活パターンが逆になったら、


なかなか会えなくなっちゃうし。


その隙に、他の女の子が湊君にグッと近付く可能性は大いにあるんだ。

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