トレモロホリディ
もし告白して、湊君が私の手を取ってくれるなら。


生活パターンが変わって、なかなか会えなくなったって。


一緒にいることを許してもらえる。


会いたい時に、会いたいって口にすることが出来るんだ。


あのキスが、少しは後押しになる気がする。


だって


湊君の性格からして、


嫌いな子にはキスしない…よね?


二次面接はあと4日後だ。


タイムリミットは近づいている。


湊君の誕生日が、


確かに一番良いタイミングなのかもしれない。


「うん。

私、告白してみる」


「おっ。マジで?

いいぞ!頑張れよ。

応援してるから」


にっこり笑う壮真君に、うんと頷いた。


考えたくはないけど。


もし。


もしも振られちゃったら…。


夢に向かって、ひたすら前進するのみだよ。


生活パターンが変わったら。


悲しいほどに簡単にすれ違うんだから。


そうしたら


少しずつ、


忘れることが出来るでしょう…?

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