トレモロホリディ
猫を撫でるようにゆっくり撫でていると、


それこそ猫みたいに、


湊君は気持ち良さそうに目を閉じた。


その顔が可愛くて、


優しくずっと撫でてあげた。




「大丈夫だよ…、大丈夫…」



何度もそう言った。


何が大丈夫なんだろうって思うけど。


いつも私を励ましてくれたから。


私も、そう言ってあげたかった。



しばらくそうしていると



湊君の長いまつ毛から



綺麗な雫が



ぽたりと枕に落ちていった。



それを見ながら、



私もちょっと泣いた。




いいんだよ、



泣いたって。



好きなだけ、



泣いたらいい。

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