トレモロホリディ
「ごめんね…。こんな話して…」


ハッと我に返った湊君に、


私はううんと首を横に振った。


苦しい気持ちをさらけ出してくれた方が嬉しい。


その分きっと、心が癒されるはずだから。


私は以前、湊君がしてくれたみたいに、


そっと腕を伸ばして


湊君の髪を撫でた。


初めて触れたけど。


サラサラで、綺麗だ。


あ、でも。


毛先はさすがに、痛んでるね。


パサパサして、水分がないかも…。


こんなに髪にダメージを与えてまで。


頑張って夜の仕事をしてたんだね。


めぐるちゃんを探すために…。


夜の店員になりきっていたんだよね。

< 303 / 500 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop