トレモロホリディ
じゃあ頑張ってねと、ほなみの前で湊君と別れる。


いつものことなのに、お店に向かう湊君の背中を見ていると、


胸がキュッと苦しくなった。




日付が11日に変わり、次第に朝が近づいて来ると。


時計が気になって気になって仕方なかった。


湊君の仕事が終わる時間は、日によってまちまちだけれど。


どんなに遅くても8時台には出発出来るはず…。


もう、行ってしまっただろうか。


そう思うたび、ため息が漏れた。





ほなみのアルバイトが終わると、帰りにスーパーに寄り、ロールキャベツの材料を買い込んだ。


カップケーキとかも焼いちゃおうかな。


普段食べないけど、実は甘いものものは好きって言っていたもんね。


部屋に戻ると、買った材料を冷蔵庫に入れ、シャワーを浴びた。


アルバイトが休みの時にしか使わない自分のベッドに潜り込むと、そっと目を閉じた。


今頃、湊君は


めぐるちゃんに会っている頃だよね…。


どこで会っているのかな。


どんな話をしているのかな。


気になって気になって。


やっぱりあまり眠れない私だった。

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