トレモロホリディ
「-で?

お前、どうすることにしたんだ?」


「どうするって…?」


「そんなめぐるちゃんが心配だから、また付き合うことにした?」


俺の問いに、湊の瞳がゆらゆらと揺れる。


そんな綺麗な顔で真っ直ぐ見られると、男の俺でもちょっとドキドキするから、やめてもらいたいんだけど…。


「う…ん。

やっぱり俺がそばについてないとダメかなって…。

もし拒食症確定なら、それは本当にまずいことだし…」


「ふぅん…」


やっぱり復活したんだな…。


めぐるちゃんのことが、すげー好きだったんだもんな。


会ったら気持ちが蘇るだろうし、ましてや相手が弱ってる姿なんか見たら…。


「-で、お前…。

仕事はどうする?」


「え…?」


「そもそも、お前がこの仕事を始めたのは、めぐるちゃんを探すためだったんだもんな。

彼女が見つかった今も、まだ続ける気…ある?」


辞めて欲しくはないけど…。


めぐるちゃんの近くに引っ越すとか言うなら、


俺には引き止めることは出来ないし…。


「まだ、何も決めてないです…。

だから、今すぐどうこうってことはないです。

もしそうなる時は、早めにご相談します…」


「そうか…」


湊がこの仕事を辞める日が、


近いのかもしれないのか…。


それはちょっと。


いや、かなり。


寂しくはなるよな…。


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