トレモロホリディ
ゲイ…?


ゲイってあの、男性を恋愛対象とする男性のことだっけ?


あぁ……。


でもそう言われると、思い当たるフシはあるかも。


ミナト君を私の部屋に上げた時。


男性を部屋に入れているっていう警戒心が、全く湧いて来なかったんだよね。


二人で買い物した時も、同性の友達みたいに楽しかったし。


一緒にいてなぜかホッと出来るのも、彼に異性を感じなかったからなのかもしれない。


「ねっ、ショックでしょう?」


彼女はフフンと勝ち誇ったような顔をした。


「ショック、ではないですね」


「はぁ~?」


私の言葉に、彼女が目を大きく見開く。


「彼がゲイだからって、別にこれまで通りだと思います。

私は彼の人間性が好きなので、ゲイって聞いても態度は変わらないと思いますよ」


私が淡々と話すと、彼女はぽかんと口を開けた。


「あんたって変わってるって言われない?」


「え?さぁ、どうでしょうか」


全く受け入れられない人や考え方も世の中にあるにはあるけど、たとえどんな人であっても、一応その相手のことを認めようとするからかな。


だって人って本当にそれぞれだから、


みんなが私と同じ考えである必要なんてないしね。

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