(続) 冷めた結婚
さっきのままの、輝の背中に小さく声をかける。
「じゃ、おやすみ」
そういって、足早に通り過ぎようとした時
「愛海…」
切ない声で名前を呼ばれたのだ。
「何?」
こんな、態度とりたいわけじゃないのに、無駄によそよそしくなってしまう。
「大好きだよ?」
予想外の言葉にただただ驚く。
「座らない?」
そういってぽんぽんと自分の座る横を叩く。
「えっ…」
「いや?」
即答で、嫌じゃないって言えないのは、さっきの輝を圭吾と重ねてるから。
あの野獣のような目、舐めるような視線。それからあの指先の動き。全てが恐怖だった。
あの時を思い出すのだ。