クライムハザード
「どういう意味なんですか?」
「さあ、ぼくには。……でも、夜魅さん、もう解ってるんじゃないですか?」
卜部さんの目が、彼女に向く。
目線の先で、彼女は紅茶を口にしていた。
俺たちの言葉を促すような視線に、かちゃり、とティーカップをソーサーに乗せる。
「――時報」
「は?」
彼女の一言に、卜部さんは頷いた。
俺にはとんともわからない。そんな俺に気付いたのか、卜部さんが言葉を付け足す。
「117――時報の電話番号です」