クライムハザード

「……それ、本当ですか」

 俺は、耳を疑った。

「ウン。ホントだよ」

 涼しい顔で、彼女は言ってのけた。

 よっつ目の、事実。

 それは、

「野間家の電話の通話記録に、あったんだよね。時報」

 実際に、あの電話から時報へダイヤルされていた。

 この事実が一体何を示すのか、俺には見当も付かなかった。

 けれど。

「……あなたには、もう解ってるんですか?」

「どうしてそう思うのかな」

 何となく、わかる。

 彼女が、目尻をゆるく持ち上げ、“笑って”いるから。とても、愉しそうに。

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