どうしようもないくらい好きでした(仮)
陸の居ない部屋に通い続けて2週間。
部屋に行く度に必ずお香を焚いた。
陸の部屋から、陸の匂いが消えてしまうのが嫌だったから。
陸が帰って来た時に、ここに変わらない日常があるのだと。
そう思ってもらいたかった。
そんな子供じみた思いで、私は部屋に通い続けていた。
そしてその日。
私は習慣のように、何気に覗いたポストの中に、ずっと待ちわびていた物を見つけたのだ。
思わず叫び出しそうになる自分の気持ちを押さえ込み、部屋の中に駆け込んだ。
手にしているのは一通の絵ハガキ。
玄関のドアを閉めると、その場に座り込んだ。