どうしようもないくらい好きでした(仮)



孤独と厳しい寒さの冬も、日に日に春の訪れを受け入れはじめ、まだ少しだけ肌寒いと思える春の風が緑の若葉を撫でつける。


私は問題なく進級を果たし、陸との関係も何ら問題なく続いていた。


放課後に陸のアパートに通よい、陸が仕事に行くまでの時間を二人で過ごす。


私達は、触れ合ったり求め合うことを必要としていたし、そうする事で
互いの気持ちを確かめ合う事ができた。


あまり多くを語らない私と、言葉を素直に表現する陸。


正反対なようで、どこか似たもの同士である私達。


いつしか二人の間にあるものは、傷をなめ合うような曖昧な関係から、深い愛情で求め合う関係へと変わり始めていた。











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