白桜

復讐

重苦しいシャッターを上に持ち上げ、倉庫内に入る。



その瞬間、無数の瞳が私達をとらえる。



今の私は白桜。
でも、気持ちは春だ。



なんだか不思議な感じがした。自分というものが2つあって。
本当の自分はどちらなんだろう。



「どういうことだ。なぜ俺達に宣戦布告をしたんだ？」



黒鬼の表情が少し、ゆがんだ。



「なんにも知らない奴に、何がわかるんだ。」



もう、止められない。
足を一歩踏み出して黒鬼の前に立つ。
あぁ、今の自分はきっと笑っているんだろうな。



凛龍に笑っているんじゃない。
こんなことでしか憎しみを抑えられない自分に。



『お前らの先代は俺達の大切な人を殺したんだ。』