あたしの証~番外編~
「じゃーそこ寝て」


そう促されて、俺は上着を脱ぐと台に上がった。


その時、携帯が鳴る。



「…長くなるから返事しときなー」


「あ、はい」


そう言われるまま、俺はズボンのポケットから携帯を取り出す。

相手はしほだった。



【夏樹、誕生日おめでとう!
別れたけど、これぐらいいいでしょう?
利用されてたって構わないよ。
復讐が終わって、私の元に戻って来ても…いいんだからね?】



………携帯をギリギリと壊れるのではないかと思うほど握り締める。



しほは、本当にバカだ。

俺なんかを好きになったばかりに。


きょうさんに生半可な気持ちで、と言われた日。

俺はあれからしほに別れを告げたんだ。



最初、しほは泣いて理由を尋ねて来た。

だけど、俺が悪いの一言しか言わず、しほを突っぱねて。
しほの意見なんか聞かなかったんだ。



だけど、しほが相当落ち込んでいて、尋常じゃないと信司に言われてやっと会って話をすることにした。


……俺の過去の話を。
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