あたしの証~番外編~
「その名前を呼ぶな!」
そう、叫んでから
「俺は。
毎日毎日」
そう独白するように話す。
自分のタトゥーを触りながら。
「このタトゥーを見てあの時のことを思い返してた。
お前の名前を入れて、いつか復讐しようと。
このバラの意味。
お前は愛だって信じ込んだみたいだけどな」
憎しみを込めた瞳であかりを見詰めた。
「これは一生憎むって意味なんだよ」
これほど、人をどん底に突き落とす言葉はないだろうって思った。
一生愛するって意味と思っていたあかり。
だけど、これは憎むって意味だ。
一生な。
俺は真っ直ぐに木下あかりに背を向けると、自宅へと向かった。
ズキズキと痛む胸。
あの顔を見たかったはずなのに。
笑ってやろうと思ってたのに。
…こんなにも胸が痛い。
痛む胸を抑えながら、俺は顔を歪めた。
こんなつもりじゃなかった。
もっと、スッキリすると思ってた。