あたしの証~番外編~
俺の事を傷付けた?


何を知ってる?
俺の受けた傷の何を知ってる?


どれだけ、苦しんだか。

お前は知ってるのか?




「黙れ」



思ってた以上に俺の口から低い声が出た。
あかりはそれにびくっと、肩を揺らす。


違う、そうしたかったわけじゃない。
怖がらせたかったんじゃない。


ああ、俺は何を考えているんだ。



「…なつき。全部嘘なの…?」

「ああ、そうだ」


やめろ。


「本当に…?あたしのこと嫌いなの?」

「ああ」


やめろやめてくれ。


「あたし!でも!」







ヤメロ!






気付けば、俺はあかりの腕を引っ張って部屋に強引に連れ込んでいた。
靴のままだったけど、どうでもいい。


ベッドへとあかりを押し倒す。


このイラつきが治まるなら。


なんだっていい。



上着を脱ぎ捨てながら、俺はあかりの首元へと顔を埋めようとした。


………時だった。
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