年上のあなた
「私だって一応、元女の子だし。恋人にだったら、して欲しいかな。それに、自分がされたく無いこと、後輩にしたりしないから。」
「…良いの?」
綾先輩は、両手を膝の上に乗せ、姿勢を正した。
「TPOさえ考えて頂けるなら、是非。」
真顔で言われ、笑うと言うより顔が緩んだ。
周囲に人がいない事を確認すると、そのまま綾先輩の頭へ手を伸ばし、ポンポンと優しく撫でた。
綾先輩の顔が、みるみる赤くなった。
「…考えてないじゃん、TPO。」
うつむいて小声言った綾先輩は、今までのどの瞬間より可愛かった。
